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【023 Charles Berkeley ?】1995年12月22日

12月中旬の金曜日。

私は来るべき忘年会ラッシュに備え、カラオケ仲間としても親交の深いTWさんと、池袋で少々歌い込みを行った。

普段、歌に熱中すると終電のことなど眼中にないのだが、世間は既に忘年会シーズン入りをしており、帰りのタクシー待ちは長蛇の列ができることが予想されたので、私達は終電に乗って帰れるような時間設定のもとで歌に励んだ。

12時頃、後ろ髪を引かれる思いでカラオケボックスを後にした私達は、池袋駅に向かった。

終電前にもかかわらず、タクシー乗り場には既に列ができ始めていた。
それを横目に私達は、改札のある地下通路に降りていった。

JRの改札に近付いた時、私達の右斜め前方15mの所で、真っ赤な縦長の直方体が、フワッと浮かび上がるのが目に飛び込んできた。

ドキッとした私は、一瞬立ち止まり、その物体が何かを見極めようとした。

それは高さ1mはあると思われる冷蔵庫だった。

ドアには幾つかのステッカーが貼られていて、その後方にはそれを抱え上げていると思われる人間がいた。

その真っ赤な冷蔵庫が、左右にスイングしながらこちらに近付いてくるにしたがって、持ち主がだんだん見えてきた。

アラブ系と思われる逞しい男が、その冷蔵庫の持ち主だった。

彼はそのまま西口の方へ、人混みの中に消えていった。

しかし、もうすぐ終電の時間である。
彼は何処まであれを運ぶのだろう?

タクシーにとても乗るような大きさではないし、逞しい彼でも運べる距離は限られているであろう。

私達は彼の健闘を祈った。

Charles Berkeley
→『横幅のある体型と並外れた跳躍力から「空飛ぶ冷蔵庫」の異名を取った。』


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