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【005 危ない奴】1995年2月23日

この前の日曜日、11時半頃、友人からの電話で私は起こされた。

遅い朝飯を食い、日曜日にゴルフオヤジが必ず見ると言われている、テレビ東京の一連のゴルフ番組をひとしきり見て、その後、掃除に打ち込んでいたら午後3時を回ってしまった。

かなり遅めの朝食を摂ってから、まだ3時間しか経っていないが、体を動かしていたせいか腹が減ったような気がした。

私は、正月にディスカウントショップにて購入したマウンテンバイクに颯爽とまたがり家を出た。
千川通り沿いのハンバーガーショップ ドムドム前に自転車を停めた。

店内には、家族連れが一組だけ居た。
カウンター前に行き、応対に出た男の店員に注文をした。

私は毎朝この店の前を歩いて通勤するので、最近発売された“イモなんとか”というノボリを何度か目にしていた。
店員に向かい元気良く、「“イモ大学”下さいっ!」と言い放った。

彼は、怪訝そうな顔をしている。
『おかしいな?』と思い、レジ周辺を見回してみると、“オサツ大学”というポップが目に入った。

「ゴメン。“オサツ大学”だった。」と訂正し、その後、ハンバーガー、チキンナゲット大盛等をオーダーした。

金を払うと、「10番の番号札で、少々お待ちください。」と言われた。
私は、何人も座れる大きなテーブルに、外を向いて腰掛けた。

座って間も無く、幼児用の座席を前後に装着した自転車に乗った主婦が店の前に現れた。
歩道に自転車を停め、店内に入ってきた。

彼女も幾つか注文したようで、番号札を渡されたようである。
『客の回転が良くないので、あまり作り置きをしてないんだな。』と、そんなことを考えながら、道を行き交う人々や車を眺めていると、急に店のBGMが気になり始めた。
どこかで聴いたことがある曲なのだ。

女性が歌っている。
誰の曲なのか、思い出せない。
でも、私の知っている曲と、どこか雰囲気が違う。
アレンジは、勿論違う。
だが、もっと決定的に違うのだ。

『そうだ、俺の知っているのは、男のボーカルだった。』
まず、一歩近づいた。

しかし、私のイライラとは裏腹に、無情にもだんだんサビらしきパートに近付いている。
だが、思い出せない。
もう直ぐサビだ。

『ちくしょう。くやしい!』と思った瞬間、あっさりサビに突入してしまった。

その時、私の耳に飛び込んできたサビは、なんとあの♪鼻血ビュ〜ッ♪だった。

私は笑いを禁じ得なかった。
『そうだ、ボブ・ディランの名曲、“鼻血ビュ〜ッ”だっ!』と思い出した。
“空耳アワー”オタクの私としては、嬉しい限りである。

名曲 Like A Rolling Stone / Bob Dyran (しかも、動画付き)

これも、ドムドムの憎い演出か?
この時の様子を見ていた店員は、きっと『この人、絶対危ないっ!』と思ったに違いない。

でも、誰かと話をしているような時に、BGMや近くで鳴っているラジオから、突然
“空耳作品”が聞こえてきて、笑ってしまうことがある。
話している相手が取引先だったりすると、非常にヤバイ。

この♪鼻血ビュ〜ッ♪を聴いた直後、私は『暖めている“空耳ネタ”を早急に応募しなくてはっ!』と決意を新たにしたのだった。

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